「“出藍の誉れ”って知ってる?」友達にそう言われて、きょとんとしてしまった私。
調べてみると、
「弟子がその技術や能力において、師匠を超えること。元になったものよりも、そこから出てきたものの方が優れているという意味。青色の染料は藍から取るものだけれど、もとの藍の葉より青くなることからいう。」とのこと。
一つの葉から四十八もの美しい色を奏でてくれる藍にふさわしい、この“出藍の誉れ”ということわざは荀子が学問の必要性を説いた言葉。
学に励めば、より高いところへと達することができるということ。継続した努力を重ねていかないと、人は成長したり良く変わったりできない、という意味だそうです。
刻々と変化する海の色のように、甕から布を出した瞬間、空気に触れグリーンからやがて藍色に変化していく神秘的な染物、藍染め。
そんな藍の甕には、1つ1つそれぞれの一生があります。
すくもの出来具合や、どんな木の灰汁を選ぶか、天候、時季、建てる人…様々な条件がより集まって1つの甕になる。
人間の一生のように活き活きを力強く輝く色から、落ち着いた色を経て、小さく艶を失っていくといいます。その時々により染まる色も全く違うのだそう。
調べていて驚いたことに、藍の色にはたくさんの美しい名前がついています。藍四十八色と言われるそれらは、浄土宗四十八願からきているとのこと。
藍染が盛んだった江戸時代に、仏教からくる四十八と揃えて名付けられたとそう。なんだか縁起が良い気がします。
(画像引用サイト:https://www.yayoishionoiri.com/uploads/1/1/3/8/11385044/48.pdf)
四季と共に暮らし、その時々の情景を思わせる、日本ならではのネーミングがたくさんあリます。
私のお気に入りは、“瓶覗き”と“秘色”。
ティファニーブルーにも近い瓶覗き色は、染色の際も藍瓶に漬けてすぐに引き上げてしまうことからこう呼ばれていたり、甕に張られた水に映った空の色を人が覗き見た色などという説も。
秘色色は美しい青磁を彷彿とさせる色で、器好きな私にはたまらない色。色を通じて何かの情景を想像することは、遊び心があってロマンティック!
年を重ねたからといって、熟していくわけじゃない。ここ最近、私は自由という感覚は人生経験や年齢についてくるものなのではないかと感じています。
何歳になってもチャレンジし続けて、どんどん新しい色を楽しみたいです。
ちなみに煩悩は百八だそうです。
諸説ありますが、四苦八苦説なんてものもあるそうで。
4×9 + 8×9 =108
なんて、仏教用語ってなかなかユーモラスですよね