しづごころ
ひさかたの 光のどけき春の日に しづ心なく 花の散るらむ -紀友則     穏やかな春の日差しの中を、桜の花びらが散っていく。 こんなにのどかな春の日なのに、花びらはどうしてこんなにあわただしく散ってしまうのでしょうか。         桜の美しくもはかない花びらが美しく散る様...
じつ。
11月末にははじめて八女茶の生産地である星野村を訪れ、お抹茶製造工場を拝見させていただきました。きちんと衛生・温度管理がされた部屋の中でたくさんの石臼が回っている様子を見た時は、ただただ圧巻の一言。         見学をさせていただいた星野製茶園では抹茶はもちろん、抹茶を使っ...
すぐる。
自分にとっての贅沢な時間とはどういう時だろう。     いまの世の中において、ラグジュアリーってなんだろう。     仕事柄、こんなことを考えることが多い、時代的にかな。その物の芯を捉えないと、そこから広げていくことができないから、できるだけ全力で対象の本質的なことを理解したい...
終わりのはじまり
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早緑月
  「宇治のお茶には深い歴史があって、そこには到底叶わない。宇治からたくさんの教えをいただいて、今の八女茶がある。」     という八女の方の言葉………宇治の歴史とストーリーに対するリスペクトの心がとても美しいなぁと。     東京に住んでいると、日本茶といえば静岡か宇治の流通...
揺る
  「近いうちに八女茶の現場を見てほしいから、時間を作ってよ」     八女茶のブランディングをしている方からいただいた嬉しいお言葉。     京都や静岡など全国に有名な日本茶の生産地はありますが、福岡の「八女茶」もそれらに負けていないどころか、毎年行われる「全国茶品評会」にお...
つきたち
ついたち。 ふつか。 みっか。 よっか。 . . . . ひ、ふ、み、よ、に日をつけるという法則ではない「ついたち」。     月の1日めだけに適応された、この特別な言い方は「月が立つ」という意味の「つきたち」からきているそう。これは暦の月と空に浮かぶ月と両方のから取られている...
結晶
うなぎの寝床のような縦に長細い工房!失礼ながらそれが第一印象でした。少し時間が経ってしまいましたが、Kiwakotoのパートナーを見学させていただくプレスツアーにて京友禅の墨流し染めの第一人者 薗部正典さんの工房にお邪魔させていただきました。     薗部さんはは、1983年三...
地獄を巡る
今回の旅は、今年8月にオープンしたばかりのANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパと温泉ガストロノミー推進機構が実施する「ONSENガストロノミーウォーキング」がコラボレーションした「Premium ONSEN・ガストロノミーウォーキング in BEPPU」。歩きながらそ...
過ぎ去るもの
「時間が過ぎ去っていくのではない。我々が過ぎ去っていくのだ。」     「時の名前」(三枝克之 編集・文 角川書店)という本を手に取り、さあ、読み進めようかといペラペラとページをめくっていた時に、この言葉が目に飛び込んできました。     私の座右の名とも言える言葉の1つに「時...
山、粧う
  「山粧う」は、秋の山が紅葉する様子を表す言葉。   初々しい春の山は「山笑う」。   青々しくて瑞々しい夏の山は「山滴る」。   冬の枯れた山は「山眠る」。   それぞれの季節をめぐり、まるで生きているように山の表情を例えたこの言い方は、郭熙という中国北宋時代の画家の言葉に...
視点
  歴史ある西陣織の「加納幸」の100年以上続く町家の社屋は、驚くほど洗練されていてモダンな佇まい。今でも生産をほぼ西陣100パーセントでまかなう数少ない西陣のメーカーとして、着物や帯、小物まで制作しています。     出迎えてくださった5代目加納大督さんは、この10月社長に就...
大切にする気持ち。
漆を精製している工房にお伺いして、一番驚いたのは果てしないオーダーメイド。     堤淺吉漆店では、塗師や個人的に趣味で漆を扱う人達の好みに沿うよう、事細かく硬さや輝き、色などをカスタム。職人さんたちが送り先の用途や好みに合わせてしっかり混ぜていました。全てをしっかり把握してい...
継ぐ。
kiwakotoのパートナーへ、精製した漆を販売している堤淺吉漆店を見学させていただく貴重な機会をいただきました。塗師や木工作家さんは訪れたことがあるのですが、原料となる漆を精製しているところを見るのははじめてのこと。漆の木を傷付け、そこから樹液を取るということくらいしか知識が...
kiwakoto
特別であるさま、という意味をもつ京都に根付いた職人による匠の技を駆使した、遊び心満載にカーライフを彩るプレミアムブランド=kiwakotoをご紹介いただいたのは、つい最近のこと。     「キワコト」は古語で「際殊」といい、なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれと活用する形容動...
誰そ彼
つやつやとした常緑の葉に橙色をした小花がたくさん咲き始め、甘い香りがあちこちに漂い出したら、金木犀からの秋本番が始まる合図。どこからともなく漂ってくるこの芳香に、思わずクンクンとあたりの匂いを嗅ぎながら姿を探してしまいます。     10月初旬は二十四節気で言うと「寒露」、露が...
ヤマタイカ
  訪れてみたいと思っているいくつかの候補地の中から、藤本さんの「芭蕉の家」を目指して導かれるようにふらりと訪れた沖縄ですが、斎場御嶽には再訪しようとぼんやりと決めていました。     とはいえ、ほぼ4日間のスケジュールで決めていたのはこれだけ。もちろん、行ってみたいレストラン...
自由な余白
以前に東京のギャラリーで、大きな節があったり、穴が開き、歪み、欠けている、でも力強く個性的で表情豊かな木のうつわたちの展示に行ったことがあります。木の表情をそのまま最大限に活かした、そのうつわたちの中から、散々悩んで漆が塗られたガジュマルのうつわを持ち持ち帰ることに。他にはない...
かさね
日本人は古来から自然崇拝=アミニズムの信仰でした。   例えば、奈良県桜井市の大神(おおみわ)神社は大物主神を祭神とする神社で、そのご神体は三輪山、崇拝者は鳥居を通して御神体の三輪山を拝礼します。   その由来は「古事記」にあり、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が出雲の大国...
いろ、にほふ
猛暑だろうが冷夏だろうが、夏には決まってモノトーンな気分に。周りの人からの「夏なのに全身黒なんて暑苦しそうだな」という視線をも全く気にせず黒ばかり着たくなるのです。   そんな私も自分の中に秋のタネを見つけると、俄然柔らかい色を纏いたくなります。   自然の変化を十二分に楽しみ...
ウラとオモテ
「芸術の秋」「実りの秋」「食欲の秋」「スポーツの秋」「読書の秋」………うだる様な暑さから解放されて過ごしやすい気候は、みんなでどこかに出掛けるにも、今までとは異なる新しいことに取り組むにもいい季節。   日本以外では新学期は9月に設定されてることが多く、まさにスタートの季節です...
繫いでいくこと。
先週は、数ヶ月ぶりの福岡そして数年ぶりの岡山へ。   出張先や旅先では、その土地ならではの自然を訪れることや食はもちろん、その土地に暮らす人と会ってお話しをするのがなにより好きで、大切にしていること。   そして、できるだけ時間を見つけてはその土地の神社やお寺、教会やモスクなど...
いのちの、手ざわり。
いつもお取り寄せをさせていただいている礼文島の漁師、山本文平さんを知ったのは友人のレストラン レフェルベソンスのシェフ、生江さんの紹介でした。   自分の生活を根本から見直そうと思い、まずは食生活をしっかりしようと基礎調味料について教えてもらっていた時のこと。ちょうど生江さんは...
自然の、手ざわり。
8歳の夏、家族で北海道一周旅行をしました。   生まれたばかりの弟を含む家族5人、東京からフェリーでステーションワゴンと一緒に出発した3週間の旅は、後部座席で弟と喧嘩ばかりしていた記憶が一番鮮明ではあるけれど、所々で北海道の本質に触れた旅だったように記憶してます。東京とは違う、...
かろみ
8月のテーマ「なごし」でも触れましたが、言葉について考えていたら松尾芭蕉にぶつかりました。   というのも、おくの細道を書いていた晩年の芭蕉は、俳諧における「軽み」を主張していたと知り、その「軽み」についてもっと知りたかったのです。   芭蕉にとっての「軽み」とは、自然を鑑賞し...
なごし
「言葉について考えていたら松尾芭蕉にぶつかって、今また読み直してみてるんだけど、なかなか読み進まなくて。」   「ひーちゃん、次の旅はどこに行くの?東北に行っておいでよ。〔夏草や 兵(つはもの)どもが夢の跡〕って松尾芭蕉が詠んだ平泉には行ったことある?」  ...
自分を活かして、はたらく。
手塩にかけて育てられたもの、こだわりを持って作られたもの、素晴らしい技術と熱意で作られたもの………売れるために考えられたものではなく、あくまで消費者のことを考えて安心安全に作られたもの。   私の母はこういった、商品の背景にあるストーリーを読みながら買い物をするのが好...
こだわりを解き放った先に見えてくるもの。
陶芸家 清水善行さんの仕事と暮らしは、まさに一体化していて1つの美しいかたちを作っていました。   寒さが厳しく乾燥している冬の間に木を切り倒し、薪を作る。そして、初春から春にかけて作陶し、夏前に窯焚き窯出しし、作品を仕上げる。   これだけ聞くと、少しのんびりした田舎生活を想...
こころのたなびき
南山城村「童仙房」で作陶している清水善行さんの工房兼ご自宅にて、数日間研修合宿をさせていただきました。研修と言っても、もちろん陶芸家を目指しているわけではなく、自分の目の前に見えているものだけでなく見えていないものを感じたい、感じられる想像力を身に付けたい、取り戻したいというのが...
心映え
7月は、「文月(ふづき、又はふみづき)」。 その意味・由来・語源には諸説あるようで、調べれば調べるほど出てくるので驚きました。 なかでも、「文被月(ふみひろげづき、ふみひらきづき)」が略されて「文月」に転じたという説は有力らしいですが、この文被月とは書道の上達を祈って、短冊に歌...
青楓
新緑の季節は、その美しさに目を奪われ窓の外を眺めることが多く、目の中のどこかに絶えず緑が揺らいでいるような気がしてしまいます。今年のように長い梅雨の雨上がりには、楓の若葉が目にいっそう鮮やか写り、優しく目にしみるようです。 まだ少し稚く淡い緑の若葉は、夏季に入ってからの呼称だそ...
行く先の、たどり。
私が暮らしの中で大切にしていること、それは読書と旅です。   読書も旅のようなものですよね。   この二つは似ているなぁといつも思っているのですが、それはどちらも自分も知らなかった自分に出会えるチャンスがある、ということ。   まだ眠っている自分の中の新キャラを起こせるかどうか...
たまゆら。
日本中がそわそわしていたゴールデンウィーク直前のこと。阪急百貨店の催事「藍ism」の開催にあたり、取材レポートのご依頼をいただいて徳島に行くことになりました。   徳島の「藍染」と聞いて真っ先に思い出したのは、友人のSNSで見かけた「BUAISOU」という藍のアーティスト集団。...
シュツランノホマレ。
「“出藍の誉れ”って知ってる?」友達にそう言われて、きょとんとしてしまった私。   調べてみると、   「弟子がその技術や能力において、師匠を超えること。元になったものよりも、そこから出てきたものの方が優れているという意味。青色の染料は藍から取るものだけれど、もとの藍の葉より青...
たゆたう時を愉しむ。
東京のわりとど真ん中で生まれ育った私は、ここ、東京には日本中のどこよりも優れたものが何でもあると勘違いをしたまま大人になりました。   もちろん、両親からそんな教育を受けたわけではありません。   小学生の時、都庁が有楽町から私の住んでいた新宿区に移った時に、「日本の中心である...
六月柿
六月柿とは、トマトの古い呼び名または異称。   広辞苑にもあるきっと誰かが命名したであろう「六月柿」という名称ですが、「トマト」と調べても、その解説の中にきちんとした回答はありません。   自分なりに、「六月柿」という古語の存在について考えてみました。   ウィキペディアによる...
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