
新緑の季節は、その美しさに目を奪われ窓の外を眺めることが多く、
目の中のどこかに絶えず緑が揺らいでいるような気がしてしまいます。
今年のように長い梅雨の雨上がりには、楓の若葉が目にいっそう鮮やか写り、優しく目にしみるようです。
まだ少し稚く淡い緑の若葉は、夏季に入ってからの呼称だそう。
青楓はその若葉から青葉に移る頃の楓をさし、
この時季の楓の若葉は「青かえで」「若かえで」「楓若葉」などと呼ばれ、初夏の季語にもあげられています。
定石の裏に別の定石が潜んでいるかのように、秋の紅葉は、もちろんため息が出るほど優雅で美しいのですが、
夏に向かう楓の青も、また格別に美しい。
紅葉の紅が美しいのは、青の美しさがあるからこそ。